Ariel Ramírezのピアノ曲リスト
ピアノ曲リストには、ピアノソロ作品はもちろんのこと、それに加え原曲はピアノ伴奏の歌曲でもピアノソロとして弾かれることの多い曲も含めました。(作詞者が分かっている歌曲はその旨を書いてあります。)
1942
1943
- Danza de los Llameros (en base a una melodia del folklore Boliviano) リャマ飼いの踊り(ボリビアのフォルクローレの旋律による)
- Malambo マランボ
1944
1945
1946
1946~
- Zamba del cocherito (Motivo folklórico Salteño) 小さな御者のサンバ(サルタ地方のフォルクローレのモチーフによる)
- La equívoca (chacarera) 誤解(チャカレーラ)
- Puente de palo (zamba tradicional salta de autor anónimo) 棒の橋(サルタ地方の伝統的なサンバ)
- Cajita de música criolla クリオージョのオルゴール
- Triste pampeano Nº 3 (motivo folklórico) トリステ・パンペアーノ第3番(フォルクローレのモチーフによる)
1950
- Agua y sol del Paraná (Canción del litoral argentino) パラナ川の水と太陽(アルゼンチンのカンシオン・デル・リトラル)
- Volveré siempre a San Juan (zamba) それでもサンフアンへ帰ろう(サンバ)
1954
- El perro (gato) 犬(ガト)
- Milonga campera (sobre un tema folklórico del sur argentino) 田舎のミロンガ(アルゼンチン南部フォルクローレの主題による)
1955
- El choclón (vals peruano) チョクロン(ペルーのワルツ)
- El charrúa (gato) チャルーア(ガト)
- El Paraná en una zamba サンバでパラナ川
1956
- Esto es el campo (canción) ここは田舎だ(カンシオン)
1957
1955~
- Milonga uruguaya (motivos tradicionales rioplatenses) ウルグアイのミロンガ(ラ・プラタ地方の伝統的なモチーフによる)
- Balada para Martín Fierro (aire sureno) マルティン・フィエロのためのバラード(南部のメロディー)
- La Muerte de Cruz 十字架の死
- El Sanjustino (escondido) サンフスティーノ(エスコンディード)
- Tonalidades (zamba) 調性(サンバ)
1963
1969
1973
- 15 Estudios para piano sobre ritmos y formas de la tradición musical argentina アルゼンチン伝統音楽のリズムと形式によるピアノのための15の練習曲集
- Gato ガト
- Bailecito バイレシート
- Cueca クエッカ
- Arpegios Do M ハ長調のアルペジオ
- Arpegios La m イ短調のアルペジオ
- Vidala ビダーラ
- Pentatónico Re m ニ短調の五音音階
- Pentatónico Mi♭ m 変ホ短調のの五音音階
- Malambo マランボ
- Carnavalito カルナバリート
- Milonga ミロンガ
- Chacarera trunca チャカレーラ・トゥルンカ
- Chacarera trunca チャカレーラ・トゥルンカ
- Chamamé チャマメ
- Zamba サンバ
Ariel Ramírezのピアノ曲の解説
1942
- La procesión del Santito 小さな聖人の行列
楽譜にはトゥクマン(アルゼンチン北部の町)で作曲と記されている。曲は、聖人を奉ったカトリックの祭りの行列の光景を音楽にしたのだろう。ただし、左手ファとドのみから成るオスティナートのリズムといい、右手のペンタトニックの旋律(楽譜の調号はシに♭が付いてヘ長調だが、実際この曲でシ♭は全く現れない)といい、北部のフォルクローレの雰囲気ムンムンの作品だ。pppで曲は始まり、高音部の愛嬌ある旋律は繰り返されながらp〜mp〜mf〜f〜ff〜fffと行列が近づくように音量を増し、また行列が遠ざかるようにディミヌエンドして消えるように終わる。1943
- Danza de los Llameros (en base a una melodia del folklore Boliviano) リャマ飼いの踊り(ボリビアのフォルクローレの旋律による)
変ホ長調。鈴の音がシャンシャンと鳴るような面白いピアノ曲。ハ短調に転ずる所は五音音階でボリビアらしい。
- Malambo マランボ
変ニ長調。ラミレスの作品にしては珍しく、旋律らしきものは無く、全曲マランボの威勢良いリズムが音を奏でる曲。マランボのリズムは盛り上がったり静まったりを繰り返す。中間部はヘ長調になる。1944
1945
1946
- Purmamarca (bailecito) プルママルカ(バイレシート)
プルママルカはアルゼンチン最北部フフイ州の小さな町。フフイ州はボリビアとの国境にあり、この地方のフォルクローレの主題による曲。イ短調だが、旋律は時折(ファ♯、ソ♮の)ラのドリア旋法になったり、ペンタトニックになったりと、ボリビアやペルーあたりの民族音楽にも通じる物悲しい響きだ。1946~
- Zamba del cocherito (Motivo folklórico Salteño) 小さな御者のサンバ(サルタ地方のフォルクローレのモチーフによる)
ホ短調、前奏-A-A'-A"形式。Aは哀愁たっぷりの旋律が三度重音で始まる。A'は旋律がオクターブで感情たっぷりに奏され、A"は寂しげに繰り返される。- La equívoca (chacarera) 誤解(チャカレーラ)
1954年出版。フォルクローレ界の大御所、エルマノス・アバロス(アバロス兄弟)に献呈されたピアノ曲。ホ短調。左手の伴奏が3拍子で右手の旋律が4拍子と、楽譜だけ見ても充分に個性的なリズムだが、実際の演奏は~正にエルマノス・アバロスのように~そのリズムを崩れそうで崩れないような微妙な(なんと表現したらいいか分からん)間の取り方で弾きたい。- Cajita de música criolla クリオージョのオルゴール
ト長調。全曲高音部で奏される。アルゼンチンにはこんな可愛い曲を奏でるオルゴールがあるかも?- Triste pampeano Nº 3 (motivo folklórico) トリステ・パンペアーノ第3番(フォルクローレのモチーフによる)
嬰ト短調、A-B-A-B'-A-B"形式。Aはギターのつま弾きを思わせるような分散和音が奏される。Bはレシタティーボ風に、悲しい話をぽつりぽつりと打ち明けているような感じで、最後のB"はオクターブで激情するように旋律が繰り返される。1950
- Volveré siempre a San Juan (zamba) それでもサンフアンへ帰ろう(サンバ)
1967年出版。Armando Tejada Gómez作詞の歌曲。ト短調。望郷の想いを歌った、泣けてくるような旋律の美しい曲。1954
- El perro (gato) 犬(ガト)
ト長調。愛嬌のある曲。途中には犬の泣き声のようなのも現れる。- Milonga campera (sobre un tema folklórico del sur argentino) 田舎のミロンガ(アルゼンチン南部フォルクローレの主題による)
1954年出版。前奏に引き続き、ホ短調の悲しい旋律が変奏されつつ繰り返される。1955
- El choclón (vals peruano) チョクロン(ペルーのワルツ)
1955年1月、ペルー滞在中の作曲。優雅なワルツだが、その物悲しい旋律や、所々4拍子のヘミオラになるところなどペルーっぽくて趣深い佳品。- El charrúa (gato) チャルーア(ガト)
1955年5月にブエノスアイレスで作曲。ト長調。うきうきするような、楽しいガトのリズムの曲。- El Paraná en una zamba サンバでパラナ川
Jaime Dávalos作詞の歌曲。変ロ長調。のどかな田舎の光景が目に浮かぶような曲。1957
1955~
- Milonga uruguaya (motivos tradicionales rioplatenses) ウルグアイのミロンガ(ラ・プラタ地方の伝統的なモチーフによる)
1967年出版。楽譜には「アリエル・ラミレスの採取・編曲による」と記されている。ヘ短調。前半はギターの悲しいつま弾きのようで、後半は泣くような旋律が奏される。1963
1969
- Alfonsina y el mar (zamba) アルフォンシーナと海(サンバ)
Félix Luna作詞・ラミレス作曲による歌曲集 "Mujeres Argentinas(アルゼンチンの女たち)" の第5曲でラミレスの代表曲。曲は、力強い詩を書いていたが、46歳で入水自殺をして亡くなった女流詩人アルフォンシーナ・ストルニのことを歌っている。悲しく、切ない旋律の名曲。ラミレスの代表曲でギターなどいろいろ編曲されているが、オリジナルのLagos社の楽譜は歌詞の載ったピアノ譜。ハ短調。1973
- 15 Estudios para piano sobre ritmos y formas de la tradición musical argentina アルゼンチンの伝統音楽のリズムと形式によるピアノのための15の練習曲集
1975年出版。ラミレスお得意の、アルゼンチンおよび周辺国の種々の民族舞踊の様式を用いた何ともユニークな練習曲。難易度については、楽譜を見た感じではツェルニー30番程度位から始められるが、各曲のフォルクローレの独特の間の取り方などを上手に弾こうと思ったらそれなりに難しいと思う。かつて有ったラミレスのHPによると、1999年7月1日にやっとピアニストのポリー・フェルマンによりブエノスアイレスにて全曲の初演がされたとのこと。
- Gato ガト
ハ長調。二声で書かれており、3/4拍子と6/8拍子が頻繁に入れ替わる曲。- Bailecito バイレシート
ホ短調。これも2拍子と3拍子が入れ替わる。哀愁たっぷりの旋律で、和音もお洒落だ。- Cueca クエッカ
ハ長調。威勢のよい曲で冒頭は練習曲っぽい。- Arpegios Do M ハ長調のアルペジオ
題名通りのハ調のユニゾンの練習曲。- Arpegios La m イ短調のアルペジオ
第4曲がイ短調に変っただけの殆ど同じ曲。- Vidala ビダーラ
イ短調。三声または四声のコラール風で、なんとも寂しげな旋律が奏される。- Pentatónico Re m ニ短調の五音音階
レファソラドの音のみから成り、レチタティーヴォ風の旋律が奏される僅か9小節の曲。- Pentatónico Mi♭m 変ホ短調のの五音音階
ミ♭ソ♭ラ♭シ♭レ♭の音のみから成り、両手交互連打の上行・下行音階が劇的に奏される。- Malambo マランボ
イ長調。マランボらしいシンコペーションが効いた勇ましい曲。- Carnavalito カルナバリート
ホ短調。ペルーあたりの祭りを連想させる五音音階の曲。- Milonga ミロンガ
ハ短調。前奏のようなアルペジオに続き、憂いを帯びた旋律が奏される。- Chacarera trunca チャカレーラ・トゥルンカ
ホ短調。EmとAの和音の繰り返しにのって、素朴な旋律がミのドリア旋法で奏される。- Chacarera trunca チャカレーラ・トゥルンカ
ホ短調。第12曲に続くような曲。3/4拍子だが4分4連符が時々混じるのがいかにもチャカレーラらしくていい。- Chamamé チャマメ
ニ長調。陽気で華やかな踊りの曲。後半の旋律がレのミクソリディア旋法になるのが興味深い。- Zamba サンバ
ニ短調。ラミレスお得意のサンバのリズムによる切ない曲。